HBOの人気コメディ・ドラマシリーズ『ホワイト・ロータス』のシーズン3が、タイで撮影され、2025年2月にスクリーンに帰ってきます。
これまで同シリーズはハワイやシチリアで話題を呼びましたが、今年はタイ南部の美しい地、コ・サムイやプーケットで新たな舞台が展開されます。
なぜ『ホワイト・ロータス』はタイを選んだのか?
近年、タイは映画業界において確固たる地位を築いており、幅広い年齢層の観客を魅了する数多くの素晴らしい映画やシリーズを生み出しています。これは、タイ映画委員会と魅力的なインセンティブ制度によるところが大きいです。
では、なぜHBOのプロデューサーたちはこの人気シリーズの第3シーズンの舞台としてタイを選んだのでしょうか?
ロケーション

『ホワイト・ロータス』シーズン3のロケ地 – フォーシーズンズ・コ・サムイ
タイは、数百万ドル規模のリゾートに隣接する美しいビーチや、重要な文化的ランドマークを有しています。今回のシーズンでは、コ・サムイにあるフォーシーズンズ・リゾートが舞台となり、熱帯の緑に囲まれた白砂のビーチと穏やかな青い海が際立っています。
コ・サムイ、プーケット、バンコクといった主要ロケ地は、「ホワイト・ロータス効果」とも呼ばれる現象——人気ドラマや映画の舞台を訪れる観光客の流入——を体験したい人々を引きつけます。このような撮影後の観光客の流入は、今後数ヶ月から数年にわたってタイの観光動向を大きく左右するでしょう。
映画税制インセンティブ
タイがこのシリーズの制作チームを惹きつけることに成功した大きな要因の一つは、「キャッシュリベート制度」でした。3,500万ドル規模のプロジェクトに対し、440万ドルのリベートが得られるという非常に魅力的な条件でした。
実は当初、日本での撮影が計画され、ロケーションの調査も行われていました。しかし、タイの新たな魅力的な映画インセンティブにより、最終的にタイでの撮影に変更されたのです。
経験豊富な撮影クルー

タイには経験豊富なクルーが多数います。
タイでは、これまでにも様々な規模の映像作品(CM、ドラマ、映画)が撮影されてきました。代表作としては、『ザ・クリエイター』『ジュラシック・パーク』『キャプテン・マーベル』『ザ・ビーチ』『ハングオーバー2』『007 黄金銃を持つ男』『ディア・ハンター』『オンリー・ゴッド』『ロスト・イン・タイランド』『バンコック・デンジャラス』などが挙げられます。
現地のクルーや人材は、ハリウッド級の作品にも対応できる十分なスキルと経験を持っています。
タイの映画税制優遇制度の詳細
『ホワイト・ロータス』のような国際的な作品がタイを他国より優先して選んだ理由の一つは、この収益性の高いキャッシュリベート制度と、税制の優遇措置、そして申請条件の魅力にあります。

タイでは、地元での支出が5,000万バーツ(約140万ドル)以上ある外国映画制作に対して、15%から最大30%のキャッシュリベートが提供されます。加えて、申請手続きは簡素で、迅速な審査と承認が行われ、現地の公認コーディネーターがサポートします。
主なリベートの内容:
- 5,000万バーツ以上の支出:15%(最大合計25%のインセンティブ)
- 1億〜1億5,000万バーツの支出:20%(最大合計30%のインセンティブ)
- 1億5,000万バーツ以上の支出:25%(最大合計30%のインセンティブ)
追加インセンティブの条件:
- タイの観光を促進し、好印象を与える内容:5%
- 主要なタイ人スタッフを雇用すること:5%
- 指定観光地での撮影(ソフトパワー促進含む):3%
- ポストプロダクション費の15%以上をタイに割り当てること:3%
『ホワイト・ロータス』プロジェクトは、合計で440万ドルのインセンティブを受け取ったとされます。詳細な金額は公表されていませんが、タイ国政府観光庁のシリパコン・チェーウサムット氏は「数百万ドルの節約ができた」と暗に認めています。
大規模作品の撮影地として高まるタイの人気
タイは、大小問わず様々な制作ニーズに対応できる撮影環境を提供しています。アジアでも有数の制作拠点として知られ、地元および海外の映画制作者に対して、撮影に必要なリソースや魅力的なキャッシュリベート制度を提供し、コスト削減を実現しています。
スタジオ/音響デザイン

Studio Park Thailand では常に複数の作品が制作されています。
タイには多くの撮影スタジオやロケーションがあり、それぞれが高品質な制作に必要な設備を備えています。たとえば「The Studio Park」は、商業用映像やテレビ、映画向けに最適化された部屋を備える、世界クラスの撮影施設です。音響面でも最新の技術が導入されており、音の排除や強化に特化した環境が整っています。広大な敷地には、音響ステージ、バックロット、水槽、補助設備などが完備されています。
ロケーション

タイ、チェンマイ
タイ国内には、多彩な自然環境を持つロケ地が豊富に存在します。北部には山岳や森林地帯が広がり、中部には水田や川が海に流れ込む平野があり、南部にはマングローブ林が広がる湿地帯があります。こうした多様な地形により、どんな映画にも対応可能なロケ地が揃っています。
ポストプロダクションサービス
タイのポストプロダクション業界は年々発展しており、いつでも対応可能なスタジオが数百軒存在します。
その中でも「Cut Mix & Color」は、カラーグレーディング、CGI、VFX、音声編集、ADR(アフレコ)、オフライン編集など、あらゆるポストプロダクション作業を一手に担っています。スタッフたちは、細部にこだわり、映像の魅力を最大限に引き出すことに長けています。
優秀なスタッフ陣

Mbrella Filmsのクルー
タイには、才能あふれる優秀な撮影クルーが多数存在します。活気ある撮影業界には、監督、助監督、技術スタッフ、スタイリスト、衣装デザイナーなど、プロフェッショナルが揃っており、理想の映画制作を支えてくれます。タイのクルーは、国内外の制作チームと協力し、映画制作を適切にサポートしてくれます。
まとめ
タイは、撮影コストを抑えたい映画制作スタジオにとって、魅力的なキャッシュリベート制度を備えたロケ地として注目を集めています。
こうしたインセンティブは、予算を最大限活用するためのものであり、より高いコストパフォーマンスを提供してくれます。
もしあなたがタイでの撮影を検討しているなら、Mbrella Filmsのプロデューサーに相談してみてください。制作の流れを丁寧にサポートしてくれます